臼杵まなび旅

小さな思いやりが町を支える、まちの記憶を、未来へつなぐ

藤谷 愛

フジタニ アイ

Profile
『KERES ケレシュ』代表
実家である『グルメ若木屋』を手伝いながら『ケレシュ』では雑貨販売、臼杵整体、ゲストハウスなども行う。自身の移住ブログ「地方に移住します」や『LINEトラベルJP』のナビゲーターとして情報発信を続ける。8年の海外赴任経験があり英語が堪能。

KERES ケレシュ

  • 住所:〒874-0041 臼杵市臼杵498
  • 電話:080-1773-8228

火災が起こった時、藤谷愛さんは火元のそばにいた。当時は『うすき食文化祭2024』の2日目。市内では食に関するイベントが数多く開催されており、藤谷さんも八町大路に近い割烹で料理を味わっている最中だった。「急に避難指示が出たので、みんなで店を出ました。でもその時はボヤ程度だと軽く考えていたんです」。だが外に出てみると、黒煙とともに何かが爆ぜる音がする。信じられない光景に、事態の深刻さを一瞬で理解したという。

洋食店『グルメ若木屋』は彼女の実家で、ランチタイムには藤谷さんも手伝っている。店にいる弟さん(消防団員でもある)に電話で火災を知らせると、自分は同級生の店『カニ醤油』へ向かった。九州最古という老舗醤油店には、貴重な歴史資料が数多く残されている。「火の進路に『カニ醤油』があったから、大切な物をみんなで運び出しました」と藤谷さん。幸いにも『グルメ若木屋』や『カニ醤油』に被害はなかったが、当たり前のように見てきた町並みが一変したことは大きな衝撃だったという。

消防本部として使われた商店街事務局には当時、食事帳のようなものが存在した。これは食事の差し入れを効率よく行うため、日時と店を表にしたものだ。「たとえば『○日の夕食は若木屋』と書き込むことで、焼け出された人や消化活動にあたる人に無駄なく食事を届けていたんです」。野菜不足を補うためサラダをたっぷり付けた『グルメ若木屋』の食事は、とくに女性に喜ばれたという。差し入れとは関係なく、毎朝コーヒーを淹れて届けてもいた。小さな思いやりを添えて、誰もが自発的に支援をおこなう。それが臼杵の良いところだと藤谷さんは言う。「祇園祭りなどで、普段から人との距離が近い。火事はあってはいけないけど、今回のことで地元の人の絆の強さを改めて感じました」。

自身が運営する移住ブログを通して、町の復興を発信し続けている藤谷さん。経営する雑貨店やゲストハウスも広い建物へと移転し、これまで以上に臼杵を訪れる人を迎え入れる体制を整えた。「これだけの大火事でも、時間が経つと記憶が薄れてくる。何が起こったか、そこからどう復興したかを記録に残すことが自分にできること。これからの臼杵を元気付けるためにも、雑貨店やゲストハウスの仕事もがんばります」と笑顔をこぼした。

移住ブロガー、トラベルjpナビゲーターなどライターの顔も持つ

■大切にしていること
・新しいことに取り組む(チャレンジ)

■あなたにとって「生きる力・生き抜く力」の源とは
・自分にとって楽しいこと、好きなことを探す(知る)

■子ども達へのメッセージ
・まずは地域の身近な歴史から知ってほしい

TOP