臼杵まなび旅

“人と人とのつながり”のありがたさ、大切さを伝えたい

藤原 紳一郎 藤原 克子

フジワラ シンイチロウ フジワラ カツコ

Profile
『京染のふじわら』3代目夫婦。
京都で5年間、悉皆の技術を学ぶ。克子さんとはその頃に出会い、結婚。女性客が多いため、穏やかな京都弁で接客する克子さんは店のムードメーカーだ。
紳一郎さんは、八町大路火災復旧対策会議の代表幹事もつとめている。

染と織 京染のふじわら

  • 住所:〒875-0041 臼杵市本町3組(207番地)
  • 電話:0972-62-2622

『京染のふじわら』は、この町で三代続く呉服店。通りに面して店舗があり、その奥が住居という、懐の深い造りになっていた。火災発生時は藤原紳一郎さんだけが店におり、家族は外出中だった。「隣の健ちゃんが『火事!』って言っているのを聞いて、ヘルメットと法被を持って飛び出しました」と藤原さん。隣の『メガネの豊福』の山中健一さんとは、よき隣人であり消防団の仲間でもある。すぐに二人でポンプ車の準備などに奔走した。「消化活動をしながら、自分の家に火が迫るのを見ていました。その時はただ必死で『ウチで止まれ、隣まで広がらんでくれ』としか考えられなかったですね」と、当時の心境を話してくれた。

火の勢いが衰えた夜中、焼け落ちた店や家をあらためて眺めた。「祖父や父が築いてきたものが一瞬でなくなった。本当に虚しい気持ちになりましたね」と藤原さん。それと同時に「焼け跡を見ることである意味、吹っ切れました。虚しさから、絶対に店を再建しようと気持ちに切り替わって。そうなると少しだけ心が落ち着いたんです」。すべてが焼けたが、家族はみんな無事だった。火事の翌日には臼杵市が住む家を用意してくれ、生活道具は多くの人が持ってきてくれた。黒焦げの金庫からは、土地の権利書などが無傷で出てきたという。最悪な出来事のなかに少しずつ希望を見つけながら、現在は仮店舗で店を再開した。建物や商品は火災保険に入っていたものの、顧客から預かっていた着物は保険の対象外。新しい着物を自費で弁償するなど、地道で長い対応が続く。

現在は被災者で作る『八町大路火災復旧対策会議』の代表を務める藤原さん。自分の店の再建だけでなく、被害にあったすべての人のために奔走している。「まずは焼け跡を更地に戻し、その上でどういう町づくりをするのか。市や被災者みんなと話を進めていきたい」と、前を向いて語る。復興の道のりは遠いが、一歩ずつ着実に歩み始めている。

■大切にしていること
・人の気持ちに寄り添う
・常にお客様の立場に立って物事を考える

■あなたにとって「生きる力・生き抜く力」の源とは
・事業を継続、継承するための強い思い

■子ども達へのメッセージ
・今の自分がある意味、家族や周りの方々への感謝

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