臼杵まなび旅

麹と時間が醤油を醸す
醸造という奥深き世界

イケベツヨシさんの紹介画像

池辺 剛

イケベ ツヨシ

『 大分醤油協業組合(フンドーキン醤油グループ)』理事 工場長
大分市出身。大学で生化学を学び、卒業後『フンドーキン醤油(大分醤油協業組合)』に入社。一時期ドレッシング工場に勤務したが、それ以外は醤油造りを担当。2017年、工場長に就任。

大分醤油協業組合(フンドーキン醤油グループ)

大通りからは見えない、細道を入った小高い場所。緑に囲まれた静かな環境に『フンドーキン醤油(大分醤油協業組合)』はある。ここはフンドーキン醤油や加盟会社の醤油を製造する、国内最大級の共同工場。「私もここで醤油造りを始めて、ずいぶん経ちますね」と、工場長の池辺剛さんは穏やかに微笑んだ。

この工場では、最新設備で安定的に醤油を製造する一方、300年前から続く伝統手法での醤油造りも行っている。「お客様からの需要に応えられる設備と体制を整えるのは、メーカーとしての責任。それと同様に、手間と時間をかけた本物の味を追求することも、職人としての我々の使命です」と池辺さん。メーカーと職人、責任と使命。それらが矛盾することなく両立していることに、この工場の底力と志の高さを感じる。

”おいしいものを造ろうよ”このシンプルだが力強い思いこそ、工場の原動力だという。「良い原料を使って、手間を惜しまず良いものを造る。だって、私たちが一番聞きたい言葉は『おいしい』ですから」。そう話す池辺さんの後ろには、最新鋭のスーパーステンレスタンクと昔ながらの巨大な木樽が並び立つ。責任と使命の象徴ともいえるタンクと木樽の中では、手間暇かけて仕込んだ醤油が、今日もじっくりと味を深めている。

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