臼杵まなび旅

自分の心と向き合いながら
独自の世界を編み出す

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毛利 雄造

モウリ ユウゾウ

高校卒業後、東京の専門学校で服飾を学ぶ。卒業後は東京の洋服店で働いていたが「何かを作りたい」という思いが強くなり、26歳で帰郷。
父のもとで竹工芸の修行をはじめる。

竹巧彩

細い路地の向こうに、趣のある和の建物が突然現れる。ここが竹工芸作家・毛利健一さんの工房『竹巧彩』だ。併設されたギャラリーでは、工房で作られた作品や洋服・小物なども展示販売されている。「佐志生にこんな所があるなんて」と訪れた誰もが驚く、美しい空間だ。

竹工芸は、作家が品物を作って問屋に納めることが一般的だ。しかし現在では問屋からの注文も少なく、どんな人が買ってくれるのかも分からない。毛利さんはギャラリーを開くことで客と触れ合う場を作り、意見をじかに聞くことで新たな作品に反映させてきた。県内にも多くの竹工芸作家はいるが、ここまでの施設を持つ人は珍しい。

毛利雄造さんは、父と同じ道を進む。工房で働いて7年になるが「一通りの仕事はできるようになったけど、ゼロの状態から創作を始めることは今でも難しい」と話す。0から1を生み出す。それは何かを創作する人間が直面する苦しみであり、作品造りの醍醐味でもある。雄造さんはその二つを感じながら、日々の仕事に打ち込む。「父は独自の作風を築いていますよね。同じ作家として、やはり凄いと思います」。竹や藤などを巧みに編み上げ、色彩や形にも細やかに心を配る健一さん。その背中を追いかけながら、雄造さんはひと編みごとに父に近づいてゆく。

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