臼杵まなび旅

布地は売る、知恵は貸す。
この町の生き字引

シガショウイチさんの紹介画像

志賀 正一

シガ ショウイチ

『きれ屋丸正』店主。
1948年、呉服店だった父の店『丸安』を洋服の服地店『丸正』として新たに開業。‟興味のあることは何でもやってみる”が元気の秘訣。

きれ屋丸正

  • 住所:臼杵市畳屋町6組
  • 電話:0972-62-2446

「町の歴史で、わからない事があったら『丸正』に行け」。これは、この町で当たり前のように言われている言葉だ。『きれ屋丸正』を営む志賀正一さんは1930年生まれの91歳。「昔は布地を買ってお母さんが家族の服を作るのが一般的やったけど、今は縫うより買った方が早いからな。店はノンビリしたもんよ」と笑い飛ばすが、今では少なくなった布地の専門店には、遠方からも布を求めて多くの人がやってくるという。

元来、好奇心旺盛な志賀さんは、仕事の合間に町の歴史や文化をパソコンでまとめて資料を制作している。「臼杵は昔からの通りがそのままの形で残ってるから、古い地図を見ればここに誰の家があったかすぐに分かる。それが面白いんよ」とメガネの奥の眼が少年のように輝く。70歳からパソコンを勉強し、洋裁を始めたのは80歳から。いくつになっても新しいことに挑戦し続ける姿勢には頭が下がるが、本人は「何かやっとらんと日がたたん(時間が経たない)。90歳過ぎて店をやっとるのも健康のためよ」と、あくまでも自然体だ。アフリカに「老人が一人亡くなることは、図書館が一つなくなるようなもの」ということわざがあるが、志賀さんもまさに、この町の歴史を知る図書館のような存在。八町大路の志賀図書館は、今日も元気に開館中だ。

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