臼杵まなび旅

問い続けながら歩む
寺と人との心の繋がり

アンドウエソウさん、エクンさんの紹介画像

安藤 恵聡・安藤 恵薫

アンドウ エソウ・アンドウ エクン

安藤恵聡(右)
『成道山見星禅寺』十八世住職。
仏教系の大学を卒業した後、企業に就職。6年間を会社員として過ごして仏門に入った。2012年に代替わりを行い、住職となる。

安藤恵薫(左)
安藤恵聡住職の父。
2012年に代替わりを行い、閑栖和尚となる。寺の近くにある『星月庵』では、和尚が修行時代に体得した禅味(精進)料理が味わえる。

成道山 見星禅寺

寛永11年(1634年)に建立された『見星禅寺』。この名刹の十八世住職が安藤恵聡さんだ。今年で51歳。笑顔こそ若々しいが、落ち着きのあるたたずまいと優しい眼差しに、住職としての風格がにじみ出ている。

かつては役所や学校などの役目を寺が担っており、人々の暮らしと寺は密接に繋がっていた。「でも今は、暮らしのなかで寺と接する機会はまずないですよね。せいぜいお葬式の時だけ。まあ、生活の形が違うので仕方ない部分はあるんですけど」。そういって寺と人との在り方に思いを巡らせる姿は、いかにも現代の住職らしい。

『見星禅寺』には昔から開放的な気風がある。父・恵薫和尚は少年野球チームを合宿させるなど地域や子どもとの関わりが深く、五世住職はキリスト教が弾圧されていた時代に川に沈められたマリア像を引き上げて寺に安置した。寺に伝わる寛容さとおおらかさ。その精神は恵聡住職にも脈々と受け継がれている。今後を尋ねると「寺で結婚式をしたいですよね。宗派も問わないし、ウエディングドレスを着てもいいじゃないですか。仏事だけでなく、祝いの席として寺を使って欲しいですね」と笑顔を見せた。歴史を受け継ぎながら、現代の人にも親しまれる寺でありたい。十八世住職のそんな葛藤もまた、寺の歴史の一部分なのだ。

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