4.成道山 見星禅寺(臨済宗妙心寺派)

成道山 見星禅寺(臨済宗妙心寺派)
じょうどうさん けんしょうぜんじ

隠れキリシタンが祈りを捧げたと云われるマリア観音。上部に聖水を入れる窪みがある。

仏像・マリア像・人間国宝
人々の思いと歴史が交差する寺

寛永十一(1634)年に、三代藩主・稲葉一通公が駿府臨済宗より鐵山宗鈍禅師の法孫・一翁東二禅師を拝請して開山した『見星禅寺』。どこか叙情的な寺の名は、お釈迦様が明けの明星を見て悟りを開いた故事に由来する。御本尊の聖観世音菩薩は、天正十四(1586)年に大友宗麟によって焼き討ちされた寺の本尊だった。『見星禅寺』開山まで48年の空白があるが、その間どこに隠されていたのかは謎だという。有名なマリア観音は、キリスト教が弾圧された時代に100年もの間、川底に沈んでいたと伝えられている。宗麟に焼かれた寺の仏像と、宗麟が大切にしたキリスト教ゆかりの像。その両方が難を逃れて同じ寺にあるというのも興味深い。本堂には、無人寺となった『山庵寺』の賢巌和尚自刻像も安置されている。名僧として知られる賢巌和尚が自らの姿を彫った木像は、名工の作と見紛うばかりの精密さ。時代を超えて集まった三つの像は、この寺の懐の広さを無言の内に表しているようだ。
※賢巌=けんがん

賢巌和尚の自画像ならぬ自刻像。一介の僧侶が彫ったとは思えない、素晴らしい出来栄え。

戦果を逃れて見星禅寺の御本尊となった聖観世音菩薩。

本堂。襖には春見文勝和尚が書いた「正法眼蔵涅槃妙心実相無想微妙法門」の文字が。
※春見文勝=かすみ・ぶんしょう

茶室には、人間国宝の竹工芸家・生野祥雲斎作の網代天井が。先々代住職と祥雲斎は、兄弟のように親しかった。
※生野祥雲斎=しょうの しょううんさい

十八世住職・安藤恵聡さん (右)と、父の閑栖和尚・安藤恵薫さん
※安藤恵聡=あんどう えそう
 安藤恵薫=あんどう えくん
 閑栖和尚=かんせい おしょう

安藤恵薫閑栖和尚が作る精進料理が味わえる『星月庵』。全国から多くの人が食べにくる。

御朱印

住所
大分県臼杵市臼杵277
電話
0972-62-3672
駐車場
スタンプの場所
寺務所御朱印売場の右側
トイレ

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