よみがえった臼杵石仏
臼杵石仏は、九州の東海岸、大分県臼杵市大字中尾・深田に所在しています。この地には、切り立った丘陵の崖面に彫りだされた磨崖仏と一つの岩の塊まりを削って石像とした持ち運び可能な石仏との二種類あります。
臼杵の石仏は、阿蘇溶結凝灰岩という軟質の石に彫られているため、風化しやすく、永い年月の間に亀裂を生じたり、剥落するなど傷みがひどくなっていました。このため、1980年から1994年までの14年間、磨崖仏を中心に保存修理工事が行われました。さらに、保存修理の効果をより高めるために修理の終わった各磨崖仏群に保存施設としての覆屋も設置されました。この修理の中で、多くの人々から最も注目を集めたのは古園石仏の修理でした。ここには、長い間親しまれてきた中尊大日如来像の仏頭が地上に安置されており、修理に際して、仏頭を元の位置に戻すかどうかの論議が市民の間から沸き起こりました。約4年間にわたる論争の末、保存して将来に引き継いでいくためには復位すべきであるという意見が大勢を占め、これを受け大日如来の仏頭復位が行われました。
仏頭復位の成った大日如来は、その姿を一変しました。両肘を左右に十分に張り、お顔は、両頬が丸く張りをもって彫られ、両眉は、美しい半円弧を描き、両眼のまなじりはわずかに切れ上がり、豊かな抑揚を見せる大きな眼をはっきりと刻んでいます。そして、お顔の形を引き締めるかの様な小さな唇と締まった顎の表現によって、全体としては、典雅でしかも力強い像形がうかがえるようになりました。
こうした像形から、古園石仏の中尊大日如来像は、臼杵磨崖仏中の秀作、我が国石造美術の最高傑作の一つと言われています。 臼杵磨崖仏は、古園石仏・山王山石仏・ホキ石仏第1群・ホキ石仏第2群の四群から成っています。いずれも造顕年代は、はっきりとしていませんが、美術史的見地からは、平安時代後期〜鎌倉時代にかけて彫られたと考えられています。 保存修理の終わった臼杵磨崖仏は、その姿を一変し、本来の姿に近い、見事な出来ばとなったことが高い評価を受け、59体の磨崖仏が1995年6月15日に、石仏としては我が国ではじめて「国宝」の指定を受けました。

ホキ石仏第二群

上下430cm、左右600cmの大きさに龕(がん)を造り、ここに丈六の阿弥陀如来坐像を中尊とし、左右に半丈六の脇侍菩薩立像1体づつ(観音と勢至か)を配している。中尊阿弥陀如来坐像は、納衣(のうえ)をつけ、両手は膝上で定印を結び、結跏趺坐(けっかふざ)する姿で、体部のバランスがよく均整がとれている。入念で巧みな彫り口は、都の藤原仏にも比肩される温雅な阿弥陀坐像の姿を示し、その規模とできばえから、古園の大日如来像や山王山の三尊像などと共に臼杵磨崖仏の象徴的存在となっている。



ホキ石仏第二群 阿弥陀如来坐像



ホキ石仏第一群
       ホキ石仏第一群 

平安時代から鎌倉期に至るまでの磨崖仏が20数体並ぶ、まさに壮観である。
 4つの龕からなり、第1龕は、如来坐像3と菩薩立像2、第2龕は、阿弥陀如来坐像、薬師如来坐像、如来坐像の3、第3龕は、大日如来像はか4、第4龕は、地蔵菩薩半跏像並びに十王像の11である。いずれも傑作秀作ぞろいである。

       山王山石仏

古園石仏群の背面、山王社のある丘陵の中腹の斜面に、高さ443cm、左右巾約660cmの浅い龕(がん)を造り、ここに丈六の如来坐像を中尊とし、左右に150cmほどの高さの如来坐像を刻み出し、三尊としている。地元では「かくれ地蔵」と呼んでいる。 この石仏は、古園石仏とは異なった技法で作成され、表面には荒いノミ痕が残るが、ポッチャリとした童顔には独特の美しさがある。

山王山石仏

 
古園石仏

龕(がん)の上下約4m、左右延長18mの横長の一龕に、丈六を越える大日如来坐像を中心とし、その左右に六体づつの半丈六の仏、菩薩、天部、明王を刻み出した壮大なものである。地元ではこれらを「古園の十三仏」と呼んでいる。 この古園石仏中、ひときわ製作の秀れているのが中尊の大日如来像である。石造というよりは平安後期の木彫像を思わせる所があり、木彫りを専門とする木仏師が中心となって石工を指導して製作したものと考えられている。崩れ落ちたその頭部の像は永い間、臼杵市のシンボルとされてきたが、1994年3月復元された。 この古園石仏の前庭部分の発掘調査が1991年と92年に行われ、礎石建物跡、須弥壇跡(基壇)、石積列、参道跡などが発見され、遺物として多量の瓦、土師質土器、瓦質土器が出土している。


臼杵石仏観覧料  大人(高校生以上) 1人につき530円  団体30人以上割引あり
             小人(小中学生) 1ひとにつき260円  

共  通  券    (臼杵石仏・稲葉家下屋敷・野上弥生子文学記念館・吉丸一昌記念館)
                大人 1人につき1090円   小人 540円
                  ※いずれの観光施設でも購入できます。
   
観 覧 時 間    4月〜9月 6:00〜19:00
              10月〜3月 6:00〜18:00

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